『戦争と平和』

井伏鱒二『遙拝隊長・本日休診』

このブログをわざわざ読みに来てくれるような人はみんな知っているだろうけれど、井伏は人間の悲哀を書くのがうまい。山椒魚の悲哀を書くのもうまい。そして井伏の悲哀は、どうにも対象の愚かさとともにある。致し方なく愚かな人間が多く登場する。 『遙拝隊…

大岡昇平 『野火』 要約

頁をめくるために目をそむけていた。 主人公の田村は、小説の始まりとともに、生きる望みを絶たれる。戦争も末期、肺病を患った彼にはレイテ島山中の前線に居場所はなく、食糧を持たされなければ野戦病院にも居場所はない。 一章「出発」「わかりました。田…