中島京子『小さいおうち』

山手の小さな洋館の、美しい若奥様と女中。時のふるいにかけられた回想記は、日記の規則的なリアリズムとはまた違って美しい。

その後の故郷山形の暮らしが入ることで話が豊かになったと思う一方、現在の甥の子とのやりとりは少し荒業という感じがした。「おばあさんの回顧録」だけではたぶん小説として自立できないのだろうけど。